自作*アナライズ

作曲した内容の公開と分析です。参考となる部分があったら嬉しいです!

Neo Classic Dnace / とても自分らしい作品

〈改訂01〉
タイトル:Neo Classic Dnace
作曲日時:1985年頃 夏 バイトの昼休に作曲
作曲場所:練馬区栄町(江古田)
音  源:下記サイトのUNITページにてご試聴ください。

バイトの昼休に作曲というのが特長か。

当時、僕はようやくひどい生活から抜け出しかけたところだった。
(ひどい生活の内容はやはり割愛する。)
普通に働き、普通に三食、当り前に寝て起きて、という「普通」を満喫していた。

しかし、やはり音楽(バンド)をやりたくなった。
バンドのメンバー募集を見て、様々なバンドに入れてもらってキーボードを弾いていたのもこの頃だ。自らバンドを率いるというのではなく、ポツンと一人リハに出向いた。
バイトは近所にあった場末な写植・版下屋さんだった。休みは日曜以外では月1回だけの土曜日。有給休暇などあろうはずもない(笑)
典型的な三ちゃん産業で、今思えば、そこまで自分を落とすか?というほどの小さくて見窄らしく、その場末具合から未だ心の焼付き具合が凄い。ただ、昼休みに戻って来てピアノを弾けること、それは僕にとって掛け買いのないことだった。

大急ぎで帰って来る。昼のドラマを見ながら弁当を食べて、徐にピアノに向う。
愛用のヤマハ/UXだった。UXの中でも一番重く当時アップライトのフラグシップだったモデル。
こいつと一緒に生み出した曲やリフは今でも演奏しているし、これからも使えるところがありそうだ。

そういった生活環境から作曲されたのが本作となる。
通常、何も考えず弾き倒して作曲する自分としては、珍しくコンセプト先の作品ということになる。つまりはハチャトリアンの「剣の舞」の少しばかり下世話とも言うべき、例のテーマのパロディをテーマに置くというものだった。
そういうハッキリした考え方からか、この作品のテーマは5分程度で完成した。

▼"NEO" プログレ化に貢献した名器 P-80
fan04.JPG

現在の形(変拍子ポリリズムを用いて奇天烈な様相となる)になるのは、大変な試行錯誤と周囲の協力、励ましがあったからだ。この長い時間を要した紆余曲折からすればテーマの誕生は実にあっけないものだった。
しかし見方を変えればこの特徴的なテーマが在るからこそ様々なアレンジが可能と成ったということだと思う。どんなアレンジに対してもびくともしない「力の在るテーマ」は他の作品にとっても同じく大切な要素に違いない。

テーマは僕としては珍しくキーをA♭としており、最初に発する音をリディアンの響きを意識させる「D」としている。

このDを「剣の舞」のように連打する。

何とも明るく楽しい発想。今の僕の状況でこんな発想は難しいと思う。
飄々としたタッチ、明快でどこか風刺が利いている、というのは若い頃の僕のテイストにみられる特長だが、これを今、再生出来たらと思わずにいられない。

しかし、後々15年後に完成されたこの曲は、もはや別次元のものだ。
まず、演奏家にとって、面倒極まりないテクニックを使うイントロの設置だ。ここが最も難しいという演奏家もいるほどに、コテコテにリズムに凝りまくっている。

neo_01.png

これを6/4としているところが謎ではある。これは4/4として3小節リフとするのが音楽内容に合致する。
僕 の楽譜はDP7というDAWから書き出しているが、この譜面機能が他のDAWと比較すると寒いのである。しかし作業アプリを言い訳にしないで、きちんと精 査していきたいものではある。このように"見切発車"してしまった弊害は他にも散見される。それは、主にリズムに関係している。上記の割り方もそうだが、もっと複雑に 入り組んだケースもある。変拍子が絡んでくると尚更それはひどくなる。音楽の解釈の違いによって割り方が変って来るからだ。この"Neo Classic Dance"でも中盤ドラムソロが入って来るところがある。他の楽器は次のように演奏する。
3/8→4/8→5/8
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譜面は12/8になっているが、これをパズルのように3→4→5 / 3→4→5と繰り返す。
1拍づつ長くなって行くところがポイント。
これが長年の手癖で弾いているうちに4→4→4になっていたという笑い話。確かに尺は合っているけれど、田辺君/dr(FLAT122・エレクトリックアストゥーリアス、他様々なユニットで活躍)のソロとはどこかギクシャクして合わない。
その責任の全ては自分に在ったというオソマツぶりでした(笑)

この作品のポイントとしてマイナー系のマルチトニックシステムを使用があげられます。
neo_03.png
本当はこの譜例の前後に展開がありますが紙面の都合上、3小節だけを抜粋しました。
マルチトニックシステムは自分が最も好む作曲テクニックです。メジャー系とマイナー系では世界が全くことなります。またテンポによって、そのトニック同士の連鎖を縫って行くラインによって音楽は全く違ったものになります。
 
〈改訂01:以下の内容を補足・追加しました。〉
このマルチトニックシステム(マイナー系)の後にドラムの2小節フィルインを介して、この作品中最も旋律的かつ聴き手に受けるキレイなパートが出現します。これは全編明るく奇天烈な本作の中では若干異質なところがありますが、全体の中では調度中心に位置しており、この作品の臍(ヘソ)みたいなものだと思います。
Dm / Dm on C / G / G7 / C / Em on B / Am
単純極まりない!コードプログレッション。これ以上簡単には出来ないというほどのものです。しかし聴き手に最も受けるのはこのパートです。聴く人は自由に素直に、そして恐ろしいほどに厳しく音に耳を向けます。「何か大切なこと」を雄弁に語っているという気がします。〈◀ココマデ:改訂01〉

そ して最後にポリリズムパートです。これはFLAT122の1stアルバムに入っているオリジナルバージョンで聴くことが出来ます。ヨーロッパでは何だか法 外な価格で取引されているようですが、マニアというのは何を考えているのか、僕には理解が難しい。さてパートとしては以下です。

11/8拍子(ピアノ)+12/8拍子(ギター)

音符1つズレたのが12小節で1回転して戻ります。その回転するところでこのパートは終わりになります。
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コー ドからすると、もはやいい加減を超えた適当具合で、
Piano:E / D / E / GmM7 11/8
Guiter:G dimスケール 12/8(3+4+5 割)
ギター側は、2パート前に出現したリフの模倣であり、全体が散漫となりがちなこの作品に何とかカタマリ感を出そうとした小生の 奇策ということになるが、もはや違う音楽が同時進行するという狂行であり(笑)その明るいタッチも手伝ってマニアな聴き手を少しだけ満足させたのであった (ホントか?)

ということで、自作分析第一弾は「Neo Classic Dance」でした。
2000Wを超えて更に3000Wにも迫ろうという我ながら呆れた字数ですが、音数と字数は可能な限り比例させて行こうと思います(笑)。まだ分析は足りていないところもあります。自作の改訂ではメンバーをどん底に突き落としましたが(お陰でプログレ界イチの嫌われ者です(ーー!))自作分析ではいくら改訂(※既に1回目の改訂済です)しても文句は出ないでしょう。自分の睡眠が減るだけです♬