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自作*アナライズ

作曲した内容の公開と分析です。参考となる部分があったら嬉しいです!

Spiral/ライフワークとなる〈01〉

自作中、もっとも大きな作品。
タイトル:Spiral
作曲日時:1985年頃 秋から冬頃
作曲場所:練馬区栄町(江古田)
音  源:下記Youtubeページにてご試聴ください。

 

SpiralはNeo Classic Dance と同じ年に作曲された。おそらく秋から冬にかけて、と思われる。なるほど"ネオ"(以下「ネオ」と記述)と比較するとこちらは温度感がぐっと低い感じがある。その頃はタイトルを「美しいウズマキ」と付けていた。

当初SpiralはテーマAとB、それから即興パートだけの3パートの展開だった。

これをバイオリン、ボコーダー、ピアノ、シンセで演奏した。

不思議なことにネオはライブで演奏した記憶がない。おそらくはテーマ以外のところが気に入らなかったので、一旦梃入れのためにライブを封印したのだと思う。

それからすると、即興パートを持ち、バイオリンやピアノで聴き手を押し倒すSpiralはライブの定番となっており、それは面白いことに現在のスタンスと変らない。年月が経ちありとあらゆる環境が変ってもこの作品はライブ、アルバムの中心選手、大黒柱であり、それに伴って改良の重ね方もまた尋常ではなかった。

改訂の多かった作品と言えば、実はもっと新しい作品である「真冬のTV塔」であるが、このSpiralの改良内容はメモしておけば面白かったのに、、と言う程の凄さだった。それにより、僕はメンバー達から嫌われバンドリーダー失格の烙印を押されたのだった。それは仕方がない。僕がもしメンバーだったら、こんなリーダーなどもっと早く躊躇なく見切りを付ける。

Spiralには大きく分けて3つのバージョンがある。

1.FLAT122のオリジナルバージョン

2.FLAT122活動停止後に別な編成のためにリアレンジされたもの。ゴチャゴチャと改訂した中で最もリフに恵まれている。

ver.2.02と言われているもの。しかし肥大化し規模が大きくなり過ぎて何が何だか分からない!と評する人も多い。

3.最終型と言われる現行型でシンプルで若干尺が短い。現在はこれを演奏している。

 

こうして箇条書きにするとスッキリ整理出来る。なるほど、この3点以上に突き詰めることは出来ないだろう。特殊なのは「2」であり、これはテーマの旋律にもメスを入れている。オリジナルのところまで手を入れたことから賛否両論で、オリジナルということをもっと大切にして欲しいという意見を聞いてやり直した結果が「3」となる。

Spiralの特長はテーマを分かりやすくし、舞曲風(6/8)としていることだ。シンプルなコードプログレッションでカッチリと演奏する。若干変則的なブリッジは入るが、自然な形でテーマBへと持って行く。このテーマBは最初に作曲した当時のシンプルなものが一番良いのでは?と最近思うようになった。自分も年をとったのかも知れない。

また、Spiralの原点は何と言ってもFLAT122なのであって、そのバンドのオリジナルでやったものは、そのバンドの持ち曲であり、そこが大切なことなのではないだろうか。

リアレンジすることを否定はしないが、バンドひとつをもっと大切に考えるべきではないのだろうか?とこのSpiralを通して思わずにはいられない。

さて本作品はあまりのテーマの多さにポイントを抽出するのが難儀なのだけれど、最も特徴的なのは、中間部に挿入された独立パート「ミニマルパート」である。

これは、当時ギター担当の平田君にリハの後、拍子だけが書かれた譜面を「これで考えてみて」と渡されたものが元になっている。

しかし後々彼から聞いたのは「練習用として試しに作ってみて」と言ったのであって、Spiralに捩じ込むつもりだったのではない、、という驚くべき顛末でした。

この二人のズレ加減はこれだけに止まらないですが、この深き断層がFLAT122のキャラの根幹であったことは論を待たない。

しかしSpiralの中間として置くために作曲したので、それ相応につながるように出来ており、最初は仕方なく試してみるか、ということになったのでした。

一旦、作品に入るとそれは次第に日に日に馴染んでしまい、結局この作品の重要なパートに成長した。

その拍子は若干の変更を行いましたが、以下となります。

ex.1〉

6/8→4/4→10/8(5/8×2)→12/8→4/4→7/8→3/8(break)

9/8×2(5/8+6/8+7/8)→11/8→13/8

この後ブレイクを入れて、ユニゾンで駆け上がる実に面倒なリフを経由して、後半のテーマに戻るため伏線的に置いたブリッジへとつなげる。

ex.2〉ミニマルパートより10/8パート

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ex.3〉ミニマルパート直後の駆け上がりユニゾン

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尚、このパート「F」はギター/ベースにとって、大変弾き難く苦労するパートらしいです。もっと弦楽器の立場を考えることも必要らしい。

この後、Gm7-C7というシンプルな繰返しからテーマBに戻る。これは前半と同様にkey=Fであるが、更に転調した形key=Dで盛り上げてエンディングに接続する。

エンディングは、バージョンによって異なるが、現在はDmからの下降を用いて、テーマAを奏でる。そして更なるエンディングとしてDm-E♭mの繰返しを経て、このテーマ過多で変態な音楽を閉じる。 

最近考えるのは、この曲の構成を整理して、しかもシンプルなコードに戻したら、、ということだ。その方がこの作品が持つ本来の音楽力が前面に出て行くような気がする。

過去にワープしていくようなベクトルを感じる。それは決して退化ということではないと思うけれど。

FLAT122のバージョンに一旦戻って、更にそこから原点回帰していくというベクトル。

まだまだ、この作品は自分のライフワークであり続けるらしい。